オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。
上司や先輩がちゃんと教えてくれないと不満に思っている若手社員が多いです。それは本当でしょうか?
部下の育成は管理職の役割です。そして若手社員の成長は会社にとって重要です。当然、現場ではさまざまな教育や指導が行われています。以前は、仕事は見て覚えろ、とにかくやってみて経験から学べ、が主流でした。今はマニュアルなども整備されている現場も多く、段階を踏んできちんと教えている会社が多いです。しかし、実際に教わっている若手社員の評価は良くありません。
もちろん、教えることに熱心でない管理職もいます。教え方が上手くない管理職もいます。教えるメソッドが多数あるように、人によって理解しやすいパターンがあります。会社で教えるにしても、学校の先生の教え方と同じで、最も多くの人が理解できる可能性が高いやり方で教えます。自分に合わなければ、理解しにくいこともあるでしょう。これはやむを得ないことです。しかし、若手社員が不満を抱くほど酷い教え方をしている現場も、管理職も少ないです。
若手社員の声を聞いて、私が感じるのは認識の違いです。
例えば学習塾や予備校にはそれぞれ独自のメソッドを持っています。学校の授業では分からないことも、自分に合ったメソッドで教えてくれる所を選べば理解しやすいです。自分に合ったメソッドで教わることができる環境なので、自分に合わないメソッドへの適応能力が低くなっていると思われます。これらの理由から、そもそも理解するのに苦労するだけで教えてくれている相手に対して不満を感じる若手社員が多いのです。
さらにもっと大きな認識の違いがあります。それはマニュアルなどで教えることができることと実務能力とのギャップです。
仕事やそれに必要なスキルにはレベルがあります。マニュアル等を見ながら、あるいは覚えていればできるレベルもあります。ここまでは教えることができます。
その上には、覚えたことを繰り返し行うことでしか身に付かないレベルがあります。これは本人が反復することでしか身に付きません。
さらに、さまざまな判断力を養い、状況に応じて対応できるレベルがあります。これは本人が実践経験を積み、試行錯誤を繰り返すことでしか身に付きません。当然、スキルや能力によっては十年単位の経験が必要なものもあります。
今の若手社員はゲームの攻略にも受験勉強にもマニュアルのある時代に育っています。どんなものにも秘訣やコツがあって、それを知ればできるようになるという考えが根底にあります。
しかし、仕事はそうではありません。マニュアルを見ればできるのはここまで、繰り返し使うことでできるようになるのはここまで、そして一定期間以上の経験を積まなければ身に付かない高いレベルがあるのです。これを教える相手と共通認識として持つことが大切です。
ちゃんと教えてもらえれば仕事ができるようになると思っている人は多いです。そして、自分の能力が十分に開発されず、結果が出ないのは教える人が悪いと考える人が少なくありません。教える側からすると、不愉快でしかないでしょう。
しかし、若手社員には成長してもらわなくてはなりません。それは管理職の役割です。若手社員や部下と、スキルを身に付け、能力を向上させるプロセスについて共通認識を持つようにしましょう。そして、その進捗状況について伝え、フィードバックしましょう。このコミュニケーションが重要なのです。
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長尾 洋介

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