レベルアップは自己責任?

中間管理職イメージ

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

丁寧な指導、ほめて育てることが主流です。それでレベルアップは可能なのでしょうか?

ビジネスをしている限り、能力開発は避けることができません。管理職であれば自分自身のレベルアップも必要ですし、部下の育成も担っている重要な役割です。

最近の指導では丁寧に説明し、指導することが求められています。逆に厳しい指導は避けられています。その理由の一つは、パワハラになるリスクを避けるためです。もう一つは、これが重要なのですが、教わる側が厳しい指導には慣れておらず、効果が期待できないからです。

しかし、問題があります。十分にレベルアップ出来ない人が、相当数出て来ることです。

レベルアップのためには必要なことがあります。新しいことを身に付けたり、レベルアップのために学習や演習やトレーニングをする時には、高い集中力で取り組まなくてはなりません。それを、きちんと時間を作り、定期的に、一定期間行わなくてはなりません。

これを自分自身で管理して行うのは簡単ではありません。実際、ストイックに自分に厳しい人は多くありません。一時的に集中して取り組んだとしても、長く続く人は多くありません。これは本人に問題があるのではありません。人の性です。

他の人からの厳しい指導や監督の下であれば、気が向かなくても真剣に取り組むことを強要されます。そのため、嫌であっても、能力を上げることができるのです。

もちろん今の時代、全員に厳しい指導を行うことは難しいです。厳しい指導ができるのは、レベルアップしたいから厳しく指導して欲しいと自ら申し出る人に限られます。レベルアップしたいと考えていて、伸び悩んでいても、頼って来ない人には、通常以上の指導はできず、結局能力は伸びないでしょう。能力が不足していて問題のある人であっても、本人が望まない限り、さらなる指導を加えるのも難しいです。

このように考えると、本当にレベルアップできる人は、自ら厳しく律することができる人と、助けを求めた人だけになります。端的に言えば、どこまでレベルアップできるかは自己責任なのが今の時代なのです。しかし、自己責任だからといって、将来の可能性を伸ばすことに関わろうとせず、放置して良いのでしょうか?

これは私の意見でもありますが、高校の野球部に指導に行った時、イチロー選手が選手に語っていたこととも共通しています。厳しい指導が禁止されている今、今のレベルは自己責任です。これは本人にとって厳しいことです。そして、指導者にとってもジレンマを感じる状況です。

では、指導する立場として、どうすれば良いのでしょうか?

パワハラ覚悟で、最初から厳しい指導をしますか?

厳しい指導を受け入れるように諭し、申し出た人だけには厳しく指導しますか?

それとも、レベルアップは自己責任なので放置しますか?

どれが部下にとって本当に優しいのでしょうか?

指導する立場にある人にとって、考える価値のある問いです。

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長尾 洋介

自ら現場に入って現場力強化を支援しています。 支援する中で、ビジネススキルのスキルアップにも関わることが多くあります。 支援の現場で気づいた、成果を出すためのビジネススキルの磨き方について辛口の情報を発信します。

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